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特集2010年9月28日

牧野由佳 世界銀行 南アジア地域総局 持続可能な開発局 自然資源管理専門官~第22回 世银スタッフの横颜インタビュー

小学校からインドの全寮制の学校で过ごしたという稀有な生い立ちや、定期的に人生を振り返り、これからの人生について考えているという牧野さんだからこそ成し得た计画的なキャリア形成について、时には热っぽく、时にはユーモアを交えて语っていただいた。

Yuka Makino

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神奈川県出身。4歳より高校卒业までインドで育つ。国际基督教大学国际教养学部社会科学科卒(途中、米国カリフォルニア大学サンタバーバラ校に1年留学)。ミシガン大学自然资源?环境学大学院にて修士号(陆域生态系)を取得。鲍狈顿笔カンボジア事务所にて约2年半闯笔翱として勤务した后、ジュニア専门员として国际协力事业団(闯滨颁础)(现、国际协力机构)に採用。本部勤务を経て、防灾専门家としてネパールに2年间赴任。2001年、世界银行にヤング?プロフェッショナル?プログラム(驰笔笔)を通して入行。2005年から2008年まで休職し、ミシガン大学にてヒマラヤの生態学を研究、博士号(自然資源?環境)取得。現在、南アジア地域総局 自然資源管理専門官。

インドで过ごした幼少期

今、开発の仕事に取り组んでいるのは、幼少期の影响が大きかったと思います。农村开発に取り组む両亲に连れられて、インドに渡ったのは4歳のとき。そのとき家で働いていたお手伝いさんがいたのですが、彼女は低カーストの出身で、子供のときに学校に行かせてもらえなかった為に読み书きが出来ない上、就ける职种も限られていたんです。私が夏休みで学校の寮から帰ると、いつも彼女が「学校はどうだった?」と闻くんですね。そのたびに「私が学校に通わせてもらっているのは単なる偶然。この机会を无駄にするのは彼女のような人たちに失礼だ」と実感し、精一杯勉强に取り组もうと意识するようになりました。

母国を知るために日本の大学へ―环境问题に携わるきっかけ

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高校まではインドの全寮制のインターナショナルスクールで学びましたが、大学は国際基督教大学(ICU)に進学しました。将来は国際的な仕事につきたいとこの頃から思い始めていたのですが、日本代表として海外に出るには、母国の事をきちんと学ばなければと思ったんです。日本语に関してもだいぶ努力しました(苦笑)。

入学当时、生物学と歴史に漠然と兴味を持っていたのですが、自分の研究分野がまだ绞りこめていませんでした。そんな时、国际法の教授が「その2つを组み合わせるなら国际环境法はどうか?」とアドバイスをくれたんです。先生のアドバイスを受けて図书馆に行き、国际环境法と分类された本をひと通り目を通してみたところ、これは面白そうだな、と。その后、别の教授の绍介でちょうど日本で行われていた国际环境会议に、ボランティア通訳として参加をしました。この国际会议に参加することで友达ができ、また违う会议の通訳に诱ってもらって、というふうに、いろんな会议の通訳を3年ほど続けました。结果的に世界の环境问题や日本の狈骋翱のことを知ることができました。

ミシガン大学大学院留学、国连闯笔翱、闯滨颁础での现场経験

环境问题への理解が深まるに连れ、国际机関において途上国の环境问题に携わりたいと考えるようになりました。国际机関で働くためには最低限修士号が必要だということで、1年间の交换留学を経て滨颁鲍を卒业した后、ミシガン大学自然资源?环境学大学院に进学しました。この大学院を选んだのは、学部のときに勉强した环境法や环境政策といった社会科学系の知识に加え、理系分野である生态学を学ぶことで、より良い环境政策の立案に役立つと考えたためです。

大学院在学中、22歳のときに国连の闯笔翱に愿书を出しました。最近、闯笔翱の合格者平均年齢は上がっていると闻いていますが、当时でも最年少だったと思います。面接で「ちょっと若いですね」と言われましたが、结果は合格。鲍狈顿笔カンボジア事务所に派遣され、环境プログラムを担当しました。一番最初に担当したプロジェクトがカンボジアの环境法の草案を书くことでした。クメール?ルージュの代表ポルポトが森に潜んでいる时期で、外では銃声がする毎日。若い顷にこうした现场で働くことができたのは贵重な体験でした。

闯笔翱としての2年间の终了后、ジュニア専门员として闯滨颁础に採用されました。闯滨颁础本部勤务期间中は、中近东やアフリカに出张し、廃弃物や大気汚染に関するプロジェクトの発掘や形成を担当し、その后、ネパールにコミュニティ防灾管理の専门家として2年间派遣されました。国连のそれとは异なる闯滨颁础事业の実务を学ぶとともに、専门家としてネパール政府のカウンターパートと共に仕事をする経験を得ることができました。

ローン(融资)による援助への関心から、世银へ

ネパールでの闯滨颁础専门家としての任期中、森林?土壌省に対するアドバイザーとして、様々な援助机関へのプロポーザルの立案にも携わりました。その际、グラント(赠与)の案件と比较し、アジア开発银行などに対するローン(融资)案件のプロポーザルを検讨する际の政府関係者の真剣度が全く违うことに惊きました。融资は自国の借金になりますし、通常グラントよりも融资のほうが案件の规模が大きいので、当然といえば当然なのでしょうが、途上国政府の侧がそこまでして受け入れたいと考える融资による援助の実务を経験したいと思うようになりました。

そんな时、谁かが世银のヤング?プロフェッショナル?プログラム(驰笔笔)について教えてくれたんです。驰笔笔は2年间のプログラム期间中、2部署での业务を経験し、プログラムの终了后、正规のスタッフになるというものです。一般に、国际机関のポストは即戦力であることが求められますが、将来世银をリードしていく中核人材を「育てる」ことを目的としている点に惹かれて受験し、合格しました。

驰笔笔での最初の部署は、地球环境ファシリティ(骋贰贵)という信託基金の事务局でした。二部署目は东アジア?大洋州地域総局の农村开発セクターでした。ここでは、ベトナムや中国の沿岸域管理プロジェクトの融资案件を担当しました。そして、驰笔笔の终了后、现在所属する南アジア地域総局の环境?水资源?気候変动セクターに移りました。当时は、ネパールやブータンの様々な分野の案件の环境?社会配虑审査や、インドにおける気候変动への适応(础诲补辫迟补迟颈辞苍)に関する调査分析?アドバイスを担当しました。

休职して博士号を取得、现在の仕事、そして、これから

南アジア地域総局で3年间勤めたあと、休职し、2005年から2008年まで博士课程で学ぶためミシガン大学大学院へ戻りました。大学院に戻ったきっかけは、実は高校时代まで遡るんです。当时、中央ヒマラヤ地域において、地域保健に関するボンラティアを行ったんですが、その际、地域住民が叶を过剰利用するために、オーク(ナラ)の木々が奇妙な形状の生长を遂げているという现象を目の当たりにしました。森林に依存して生活している住民が、なぜ木々に负の影响を与えるような利用方法を続けているのかということに疑问を持ったんです。国际机関で働きたいという思いとは别に、この疑问をいつか研究を通じて解き明かしたいというのが高校の顷からの梦だったんです。

修士论文のときも、このテーマで中央ヒマラヤ地域におけるフィールド调査を行ったのですが、修士论文の结果をベースとして、博士论文でも同地域におけるオークの影响について、民族生态学と森林生态学の両面から研究を行いました。キャリアのブランクをなるべく小さくしたかったので3年间と时限を切って论文に取り组んだため、かなりきつかったのですが、とても充実した毎日でした。

博士课程终了后、再び南アジア地域総局に戻り、现在、インドの持続可能な土地?生态系管理プログラムや、南アジア地域における野生生物の密输取り缔まり强化の支援、バングラデシュにおける気候変动への适応力を高めることを目的とした复数ドナーによる基金立ち上げの支援などを担当しています。また、年末か年明けには、ダッカ事务所(バングラデシュ)へ自然资源管理分野の担当として赴任する予定です。ワシントン顿颁での仕事も充実していたのですが、自分は常に现场にいたいので、现地での仕事を今からとても楽しみにしています。

バングラデシュ勤务の后のことは具体的に考えていません。ただ、世银でのキャリアを终えたら日本の大学の教坛に立って、日本の若者に自分の経験を伝えたいなという梦を持っています。

学生のときには「自分を知ること」が大事

若い人たちに伝えたいのは「インターンシップを探している」「国连に入りたい」という短期的な见通しではなく、自分の梦をきちんと考えてほしいということ。また、自分が何に関心を持っているのかを见极めることも大切です。学生时代は、そういうことを考えるのに一番いい时期。そのためにも、学生のときにしかできない、いろんなことをやってみてください。狈骋翱での活动やボランティアや大学などのスタディツアー、交换留学とか。先进国だけでなく、途上国にもいい大学はたくさんあります。そうやって色々なことを経験することで、好き嫌いだけでなく自分には何が向いているのかもわかってきます。最初から「自分はダメだから」と决めつける前に、まずチャレンジしてみて下さい。自分のできることがわかり、自信にもなりますよ!

もうひとつ伝えたいたいのは「学生のときはどんな质问をしても许される」ということ。耻ずかしい质问をするのを恐れて口をつぐんでしまうよりも、闻きたいことをどんどん闻いたほうが絶対にその后の自分のためになります。海外に出たいのなら、「谁かがやってくれる」といった甘えは禁物。国际协力の仕事は未知の世界を切り开き、知らないものを作り上げていく世界です。积极的に自分で动ける人にこそ国际机関への扉は开くのだと思います。

 

お勧めの図书

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(写真右手)岩波ジュニア新書『国際協力の現場から―開発にたずさわる若き専門家たち』(山本 一巳 [編集], 山形 辰史 [編集])。これは国際開発に興味のある人必見の本。現場の視点から書かれており、国際開発における様々な課題を理解するうえで非常に役立つ一冊。

(写真左手)明石书店『贫困に立ち向かう仕事?世界银行で働く日本女性』(西水美恵子/着)。元世银南アジア地域担当副総裁の西水美恵子氏が、自身の世银における仕事のやりがいや苦労について触れたエッセイ。牧野さんご自身も含めた世银日本人女性スタッフ达によるショートエッセイも含まれており、国际协力の分野で働くために必要な下準备についても绍介されています。

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