木瓜影院

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特集2011年2月22日

石原聡 世界銀行 東アジア?太平洋地域総局 ヴィエンチャン事務所(ラオス) 上級社会開発専門官~第29回 世银スタッフの横颜インタビュー

仕事について、世界银行について、淡々と、しかし时に热をこめて话すその様子は「本当に好きなことしかやってきていない」という彼のスタンスを如実に示しているよう。一见、苦労なく将来の干部候补であるヤング?プロフェッショナル?プログラム(驰笔笔)で世界银行に入ったラッキーガイのようだが、「ネットワーキングがあまり得意ではない」と自分を冷静に分析しつつ、チームリーダーとして多くの人をまとめあげるための努力を怠らないその姿は、石原さんが実はたいへんな努力家であることの何よりの証拠だろう。今までの歩みや仕事について语ってもらった。

Satoshi Ishihara

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仕事について、世界银行について、淡々と、しかし时に热をこめて话すその様子は「本当に好きなことしかやってきていない」という彼のスタンスを如実に示しているよう。一见、苦労なく将来の干部候补であるヤング?プロフェッショナル?プログラム(驰笔笔)で世界银行に入ったラッキーガイのようだが、「ネットワーキングがあまり得意ではない」と自分を冷静に分析しつつ、チームリーダーとして多くの人をまとめあげるための努力を怠らないその姿は、石原さんが実はたいへんな努力家であることの何よりの証拠だろう。今までの歩みや仕事について语ってもらった。

国际的なニュースへの関心が高かった中?高时代

中学に入ったぐらいの顷だったと思うんですが、エチオピアで飢饉があったんです。それが物心ついてから、初めて贫困について意识したきっかけでした。あちこちで援助のキャンペーンが行われたんですが、父亲が冲縄出身である自分は、日本政府が冲縄に多额の金を注ぎ込んでいても冲縄が贫しい地域であることに変わりはないという现実を见ていたから、単に援助でお金を落とすことがいいものだとは思えなかった。そのとき、「じゃあ具体的に何をすればその国を助けることになるんだろう?」という疑问と兴味を持ったことは印象に残っています。

その后、高校生のときにフィリピンで政変があって大统领が変わったときにも强い兴味を覚えるなど、段々と自分の関心の対象が広がっていきました。大学を选ぶときには、香港の返还のときに现地でそれを体験できたら面白いだろうな、実はそんな思いから东京外国语大学の中国语学科に进むことを决めました。

アフリカで受けた「カルチャーショック」

大学时代は、学校にはあまり行きませんでしたが、社会科学の古典に当たるような本は彻底的に読みました。そして旅行もたくさんしましたね。いろいろな场所に行ったんですが、アフリカではそれまで社会学などで学んでいた论理があまりに通用しなくて、「なぜ彼らはこうなんだろう?」と逆に兴味を引かれてしまい…结果として1年近くも滞在してしまいました。元々、父亲には「おまえは理屈で考えがちだから、街に出て自分の足で歩け」とよく言われていましたが、その意味でも、この旅は非常にいい経験になったと思います。

そして、大学卒业后1年ぐらいふらふらしましたが、バブルがはじけた直后でまだ就职がそんなに难しい时代じゃなかったですから、比较的楽観的だったし、何よりも「自分の専门性がしっかりあってテクニカルに强ければどこでもやっていける」という思いは持っていました。

「気付いたらここにいた」という运のよさ

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その后、タイで道路案件のコンサルタントをやっていた时に、プロジェクトのチームリーダーがたまたま元世界银行の方だったんです。一绪に仕事をして亲しく话をするようになり、「ヤングプロフェッショナルという制度があるから、世界银行を受けてみれば」と言われて。そろそろ博士论文も书き始めて、その后の进路も考えないといけない时期だったので、调べたらちょうど募集をしていたので応募して、そのまま运良く合格したという感じですね。世界银行を受ける前は、正直ほとんど予备知识もなく何も考えていなかったんですが、面接当日、面接官の方との话がすごく楽しかったんです。そこで初めて「こういう人たちと一绪に仕事がしたいな」と思い、世银に入ることについて前向きになりました。

世银に入ってみて印象的だったのは、思ったよりも皆が効率化や単纯化を重视して仕事をしているということ。ダイナミックで优秀な人がたくさんいて一绪に仕事をしていてすごく楽しい。最后结果を出すということに向けて全员が努力している。「大事なのはプロセスではなく结果」、この点については一本轴が通っている组织だと思います。また意思决定のプロセスに関しても、ほかの国际机関や日本の机関とは明らかに违います。世银では、最终的にはボスが决定し部下はそれに従うので、国别担当局长や干部がどう反応するか推し量りながら物事を进めていかないと、后からとんでもないことになりかねない。そのへんは気を使いますね。

チームリーダーとしての苦労

世银で関わっている仕事内容としては、主に社会発展のための道路案件、そして小规模インフラ案件ですね。ヨーロッパ?中央アジア地域総局にいたときは特定のプロジェクトのチームリーダーやチームメンバーとして働いていましたが、今はより多くのプロジェクトを见ていて、现地の人やカントリースタッフの仕事を监督したり、人员配置したりと半分コーディネーターのような仕事をしています。常々思っていることなんですが、本当に面白いと思うことや、好きなことを仕事として追求するためには、残念ながら8割ぐらいは「やりたくないこと」をやらなくてはいけない。しかし逆に言えば大きな目的の达成はそういった小さな作业の积み重ねの先にこそあるのだと思います。この小さな作业というのは、自分の仕事に直接かかわるものだけでなく、コメントやアドバイスを求められたら面倒がらずに対応して、いろいろな人に会って自分の経験や知识を広く発信して、というのも含みます。そういうネットワーキングみたいな活动を通じて、「石原というやつがいてなかなか面白いことをやってる、信用できるし、使えるようだ」という认识を広めていけば、単にキャリアにつながるだけでなく、仕事も楽になります。判断を任せてくれるようになるし、いちいち突っ込まれることもなくなってきますから。そう言いながら、実はどちらかというと仕事をしているほうが好きで、ネットワーキング自体はあまり好きではないんです。それでも年に数回は努めてBBLを开催して、仕事の経験や情报を発信するようにしています。そうすることで、仕事の时间を割いてまで嫌いなネットワーキングをしなくても、ネットワークづくりに役立ちますから。

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それにしても、プロジェクトのチームリーダーをしていると正直なところ头が痛くなる时もあります(笑)。クライアントがいて、国别担当局长がいて、ほかにもいろいろな人がいろいろなことを言うんですから。「これをすぐにやっておかないと」という细々としたことがたくさんあるので、そもそものゴールを见失いそうになってしまう。そんな时こそ、こまごまとした妥协点を积み重ねていくのではなく、贫困削减と社会経済开発という最终目的に常に立ち戻って、そのうえで最善の方策は何なのか考えるべきなんです。そして、どこかで「落としどころはここかな」と思ったら、みんなが纳得してその结论にたどりつけるように持っていくのもチームリーダーの腕の见せ所だと思っています。だから、いろんな人に会って意见を闻いたり、话したり…。本当に胃が痛くなりますね(笑)。

世银で働く上で、きちんとした専门技能を身につけていることはもちろん大事ですが、やはり世银はチームで动いているのでチームワークがないと厳しいです。チームリーダーとして若い人と仕事をするときは、あらゆることをやってもらえるよう、今やっていることが长期的にどう仕事とキャリアに结びつくのかをきちんと説明するように心がけています。それと、自分ならこうする、というのを押し付けるのではなく、具体的なやり方はその人に任せるようにしてます。投げっぱなしにするのではなく、ちゃんと目を配って、时々进捗状况や课题を闻かないといけませんけどね。これは、个々人の特长を最大限に自由に生かしてもらうという意味ではどこでも同じですが、世银のような多国籍の组织では特に重要です。さまざまな文化背景から来る人たちでチームを组むわけですし、みんな家庭やプライベートの生活もあるわけですから、具体的に仕事をどうやりくりするかはある程度まかせておかないと、无用な轧轢を生むことになります。どういう道をたどろうと、结局结果を出せばいいわけですから。

あとは、何が起きてもパニックにならないことですね。想定外のことが突然起きるのが、われわれの日常ですから。パニックにならない一番の方法は、目的の达成に最低不可欠なものを明确に认识しておくこと、それ以外のものは切り捨てる度胸を持つこと、そしてプラン叠を常に头に置いておくことだと思います。别の言い方をすれば、细かいことは考えすぎず、シンプルに动くということです。

「现场を経験すること」の大切さ

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若い人には「30歳までは现场にいなさい」と言いたいですね。自分で汗を流して、靴に泥をつけて自分で実际に学んだことが、あとで生きてくると思うので。学校でどんなに様々な理论を学んでも、実际にプロジェクトがどんなふうにまわっているのかを経験しなければ文字通り机上の空论です。我々の仕事は、政策やプロジェクトを実际に実行するクライアントを支援?助言することですから、そのときに自分に现场経験があるのとないのとでは大きな差が出てくると思いますよ。実际の现场を知らないといつかつまずくと思うんです。その意味で、世银に来るのは、现场を経験した后でいいんです。

他方、理论を学ぶことももちろん大切です。学业に関してはぜひ博士号を取って欲しいです。基础をしっかり勉强して専门性が强くなると、いろんな状况においてもちゃんと判断できると思うんです。私はキックボクシングをやっていたんですが、ボクシングも同じ。一日30分のシャドーボクシングを毎日やらない人は决してうまくならないんです。基础がきちんとできれば、応用もきく。応用力があれば、その场その场で适切な判断ができる。仕事を任せられるかどうかを决める一番の材料は、判断力ですから。それに、学校で习ったことをただ言ってるだけか、ちゃんと理解して言ってるかどうかは、话を闻けばすぐに分かります。皆さんのご健闘を祈っています!

BBL:ブラウンバッグランチの略。昼食持込み勉強会。サンドイッチなどが入った茶色の紙袋(Brown Bag Lunch)を持ち込むことからその名前がつけられている。昼休みを利用して特定のテーマについてプレゼンテーションや議論が行われる。ほぼ毎日のように世界銀行の様々な部署でBBLが開催されている。

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