木瓜影院

特集

ミノカサゴ:新たなカリブの海贼

2017年1月4日



1980年代に初めて大西洋で目撃されたミノカサゴ。この人目を引く姿を持つ侵略者が、カリブ海の海洋生态系と、生计を生态系に頼っている人々を胁かしています。

ミノカサゴ(英名:ライオンフィッシュ)は、目を引く鱼です。鲜やかで毒を持つヒレが、ライオンのたてがみのように头から放射状に広がっています。旺盛な食欲と惊くほどの繁殖力を持つミノカサゴは无敌の捕食者で、まさに水中のジャングルの王者です。ただし、カリブ海やメキシコ湾、西大西洋に生息する数百万の生き物にとっては、このミノカサゴが原因で海が危険なジャングルとなっています。

この30年间、ミノカサゴは天敌のいないこの海域に定着し、在来种の鱼の个体数に破壊的な影响を及ぼしています。多くの専门家もミノカサゴの扑灭は不可能であると认めています。しかしながら、地元のコミュニティは革新的な方法でミノカサゴに対抗している、と芦田恵子世界银行ラテンアメリカ?カリブ海地域局环境専门官は述べています。

质问:ミノカサゴは海洋生态系にどのような影响を与えていますか?

芦田恵子:1980年代中顷にフロリダ州沿岸で初めて目撃されてから、ミノカサゴの个体群は现在、东海岸に沿って8,000キロメートル以上、北はアメリカのロードアイランド州から南はブラジルのサンパウロまで広がっています。次に挙げる2つの主な理由から、その影响は破壊的と言えます。

  1. ミノカサゴは无差别な捕食者で、60种类を超える在来种、特に稚鱼が饵食となっています。ミノカサゴは集団で获物を狙い、被食者がすべて无くなるまで捕食を続け、5週间で在来种の个体数を平均で79%减少させるという报告があります。こうした猛烈な捕食行动が在来种に计り知れない影响を及ぼしています。
  2. ミノカサゴは生存能力が高い生物です。年间を通じて毎月复数回产卵し、惊くべき速度で繁殖するだけでなく、最大300メートルの深さや、塩分が少ない水中、さらには何も食べずに最大3カ月间生き続けることができます。この适応性に、海面温度の上昇と地球温暖化が组み合わさり、ミノカサゴにとってより好ましい生息环境が创り出され、さらに広范囲にミノカサゴが繁殖する可能性があります。

质问:この侵略のより広范な影响は?

芦田:もちろん、ミノカサゴの侵略による影响は、现在被食者となっている在来种に限りません。それ以上に、影响を受けている地域の海洋生态系全体の存続とその自然资源に依存する地域経済への影响が问题となっています。

例としてベリーズを取り上げてみましょう。ベリーズでは、メソアメリカ?バリア?リーフ(グレート?バリア?リーフに次いで世界第2位の大きさのサンゴ礁)が、地域経済にとって必须の天然资源と环境サービスを提供しています。実际、メソアメリカ?バリア?リーフとその周囲のマングローブが提供する経済活动(渔业、観光、海岸线保护)がベリーズの年间骋顿笔の15~22%を占めると推定されています。ドルに换算すると、年间约3亿9,500万~5亿5,900万ドルに相当します。

しかし、このサンゴ礁は状态が悪化しており、主に気候変动の影响(白化、酸性化の进行、海面温度の上昇など)と农业排水、堆积作用、鱼类の乱获などの人為的な要因により、その约3分の2が不良、または危机的な状况にあると报告されています。サンゴ礁を回復させるためには、サンゴ礁内および周囲の海洋生物の豊かさが键となります。事実、カリブ海のサンゴの研究により、草食性の鱼类(ブダイ、クロハギなど)が豊富に生息していると、サンゴ礁は藻类をバランス良く保ち、健康な状态を维持することができ、その结果、草食性鱼类が激减している场所よりも、ハリケーンや白化のダメージから回復する可能性が高いことがわかっています。したがって、生态系のアンバランスに対処し、サンゴの健康を取り戻して多数の海洋生物に栄养を与え、住処を提供できるようにするためには、侵略的なミノカサゴの个体数を制御することが重要です。


" いったんミノカサゴの数が限界値以下になれば、在来種の魚の個体数が回復し始めることを示す証拠が増えています。 "

芦田 恵子

世界银行ラテンアメリカ?カリブ海地域局环境専门官

质问:ミノカサゴを扑灭することは可能ですか?

芦田:端的に言えば不可能です。大西洋のミノカサゴの密度は、原产地である西インド?太平洋と比べて最大10倍となっています。このため唯一の解决策は、ミノカサゴの个体数を在来种が生存可能な限界値以下に抑えておくことである、という考えが広く受け入れられています。

质问:それはどうしたら実现できますか?

芦田:一度ミノカサゴの数が限界値以下になれば、在来种の鱼の个体数が回復し始めることを示す証拠が増えています。この侵略种に対する防御策の最前线にいるのは渔师とスキューバダイバーです。ダイバーは「ミノカサゴ捕获竞争」を开催したりして、できる限り多くのミノカサゴを捕获し取り除いています。捕获技术を学ぶための特别な笔础顿滨(潜水指导员协会)コースも提供されています。ただし、ミノカサゴを限界値以下に维持するための长期的な手法を见つけ、捕获を続けるために渔师たちにインセンティブを提供することが课题となっています。

质问:具体的にどのような活动をしているのですか?

芦田:ベリーズを例に挙げると、私たちは现地の市场における主要なバリューチェーンを2つ见出しました。1つ目は、ミノカサゴの消费の促进です。これにより、渔师、水产业者、さらにレストランやシェフにも収入源を提供できます。「ミノカサゴを食べて退治しよう」というわけです。

2つ目のバリューチェーンはもう少し复雑ですが、既にベリーズ、バハマ、グレナダおよびセントビンセント?グレナディーンにおいて、ミノカサゴの捕获高を45%増加させています。それはミノカサゴをアクセサリーとして加工する方法です。

ミノカサゴのヒレとトゲは食用としては捨てられる部分ですので、アクセサリーを制作するコストを最小限に抑えられます。染色して形を整え、イヤリングやネックレス、キーホルダーに加工された完成品は、既にベリーズや海外で贩売されています。

质问:この活动はベリーズにどのような影响を与えていますか?

芦田:ベリーズ?ライオンフィッシュ?ジュエリー?グループは现在、7カ所の渔村の女性19名で构成されており、その世帯全体の合计78名に追加収入をもたらしています。ミノカサゴアクセサリーにはこれ以外にも利点があります。生计を立てるための新しい机会を创出し、ミノカサゴの胁威に対する意识を向上させ、事业の持続に向けたトレーニングやマーケティングの支援を通じて、女性达のエンパワーメントを実现します。同グループは世界银行を通じて日本社会开発基金(闯厂顿贵)の支援により事业を拡大しており、さらに多くの女性がこの活动を通じて学び、恩恵を受けられるようにしていく予定です。この闯厂顿贵プロジェクトは、天然资源を活用した実行可能かつ持続可能な生计を促进するために、このようなコミュニティベースの活动を他にも16件支援しています。その活动の一つ一つに、彼らの暮らしと环境へのアプローチが深くつながった素晴らしいストーリーがあります。

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