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特集2021年8月10日

佐藤健明世界銀行 環境?自然資源?ブルーエコノミーグローバルプラクティス 上級環境専門官~第58回 世银スタッフの横颜インタビュー

「环境基準を守らなければならない。でも詰めすぎるとプロジェクトが进まなくなってしまうから一绪に考える。」世界银行のプロジェクトが环境?社会面を配虑したものであるように目を光らせる役でありながら、同时にプロジェクト担当者の侧にも寄り添って解决方法を提案していく。环境的にも政治的にも一筋縄ではいかない状况を受け入れながら、その中で解を导き出していく柔软性とバランス感覚を持ち、それでいて着実に志を実现していく环境アセスメントの専门家に话を闻いた。

Takeaki Sato

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2013年より世界银行勤务。新潟県村上市出身。立命馆大学政策科学部卒业。日系环境コンサルティング会社にて地方自治体の环境计画や廃弃物処理计画の策定、廃弃物処分场の戦略的环境アセスメント业务等に従事。その后、ミシガン大学自然资源环境学大学院にて理学修士(自然资源计画)及び空间分析サーティフィケートを取得。修了后、外资系环境コンサルティング会社にて开発途上国等の大规模インフラプロジェクトにおける环境社会配虑确认业务や环境アセスメント、工场等における环境?労働安全卫生顺法监査、环境デュー?ディリジェンス业务、环境法规制调査等に従事。世界银行では、中东?北アフリカ地域、南アジア地域でのセーフガード业务を経て、パキスタン事务所にて、森林保全?再生や搁贰顿顿+プロジェクトの準备?运営、现地の环境フォーカルポイントとして各种プロジェクトの环境リスク管理业务等に取り组む(2021年7月现在。2021年8月よりワシントン顿颁勤务)。

何かしなければいけない

元々は开発よりも环境保全に兴味がありました。中学生の时に、亲が买ってくれた「子どもたちが地球を救う50の方法」という本にすごく衝撃を受けたんです。热帯雨林が急速に减少していること等を知り、「何か行动しなければいけない。まずはできることからやろう」と、中学校の生徒会でリサイクル运动を始めたのがきっかけです。立命馆大学では环境政策を勉强し、卒业したら环境保全の仕事につきたいと考え、卒业后は日本の小さなコンサルティング会社に就职しました。

十数名しかいない小さな会社だったため、すぐ现场に连れて行かれ、色々な経験をさせていただくことができ、それが后々ものすごく役に立ちました。ただ、日本の环境问题のピークは70年代であり、既に日本国内では汚染や公害の问题は大方解决している。それに国内には优秀な人材も揃っており、自分が环境保全に役立っているという実感があまり得られませんでした。むしろ海外の方がまだまだ问题も大きいし、人材も少なく、取り组む余地があるため、开発という切り口で环境问题を考えるようになりました。

そんな中、就职して4年目ごろに、1週间ほどバンコクで国际开発机构(贵础厂滨顿)が主催する开発分野の研修を受ける机会がありました。タイの开発现场を访れ、様々な议论を行いました。さらには日本国内の第一线で働いている政府やコンサルタント、狈骋翱の方からの讲义を聴いたりして、开発の基础を学びました。この研修をきっかけに具体的に开発の道を考えるようになったのですが、実はこの讲座の参加者20名のうち、3名は世界银行で働いています。今でも大変贵重な机会だったと感じています。

大学院、そして外资へ

开発に関してキャリア面から考えると、やはり大学院に行かないとキャリアアップが难しいことや、豊富な国内の人材との差别化を図るためにも、海外の大学院の方が道は开けるのではないかと考え、2005年に渡米し、ミシガン大学自然资源环境学大学院で理学修士(自然资源计画)を取得しました。イギリスも开発分野は进んでいるのですが、アメリカを选んだのは、森林生态に兴味があり、手付かずの自然を守るという意味では、アメリカの方が进んでいると考えたためです。

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Environmental and Social Framework (ESF)の立ち上げを記念して
帰国后は、外资系の环境コンサルティング会社で约5年间セーフガード関连の仕事をしました。具体的には、开発途上国等の大规模インフラプロジェクトにおける环境社会配虑确认业务や环境アセスメント、工场等における环境?労働安全卫生顺法监査、环境デュー?ディリジェンス业务、环境法规制调査等ですが、この业务は世界银行の业务に近いものでした。道路を作るなど、日本の银行、例えば叁大银行や国际协力银行などが海外のプロジェクトに融资をする际に、日本ではコンサルティング会社に外注して、环境上の问题がないかを确认するという业务を担っていますが、世界银行ではそれを职员がチェックし、世界银行の基準を満たすために政府と一绪に取り组んでいます。

国际基準を决める世界银行へ

当时は世界银行について详しいことは知らなかったのですが、环境社会配虑の确认业务をしていると、世界银行のセーフガード政策が国际基準になっていたため、「世界のスタンダードを设定しているような机関で働いてみたい」と兴味を持ちました。そこにちょうど、友人が世界银行で日本人を募集しているので受けてみないかと言ってくれたのが入行のきっかけです。何度か応募して、最终的にコンサルタントとして2013年に入行しました。

世界银行では、まずワシントン顿颁本部で中东?北アフリカ地域、そして南アジア地域でのセーフガード业务を6年ほど手掛け、2019年からはパキスタン事务所で、森林保全?再生プロジェクトの準备?运営、现地フォーカルポイントとして环境各种プロジェクトの环境リスク管理业务等に取り组みました。ワシントン顿颁本部では、中东?北アフリカ地域のプロジェクトが环境社会面での计画が十分にできていると最终承认を出す人の下で、まさに外资系の会社でコンサルタントとしてやっていたことに近い业务を行いました。プロジェクトをレビューして、必要な基準を満たしているかを确认し、必要なアセスメントをし、环境社会に配虑したものにするために必要な计画书を作成するなどです。

プロジェクトの现场を知るためにパキスタンへ

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Indus Dolphin Reserveの視察
パキスタン事务所では、セーフガードにも対応しつつ、オペレーションの业务につきました。タスクチームリーダー、もしくは共同タスクチームリーダーとして、その国にとって重要な森林関係の调査?研究をするプロジェクトや、植林をしたり、森林を増やしていく森林の再生业务などです。

世界银行の业务には、お金を贷して、プロジェクトを実行し、最终的には开発の成果を出してもらって、长期的にはお金を返してもらう、という一连の流れがあります。これが世界银行の本业であり、我々はオペレーションと呼んでいますが、私が手がけてきた、プロジェクトが环境?社会面で配虑したものかどうかを确认する业务は、「プロジェクトをやって、途上国を良くしたい」と考えているオペレーション侧のプロジェクト担当者にとっては、余计な时间を取られ、ある意味でプロジェクトの足枷のように感じるものでもあります。だからこそ、世界银行の本业を知った上で、环境?社会面での配虑をすることが大事だと考えました。また実际、プロジェクトは迅速に実施しなければいけませんし、ルールには原则的には従わなければなりませんが、世界银行の基準を満たしているかどうかギリギリのところで、どのように柔软性を持ってプロジェクトを进めていくかというのが现実だったりします。このようなオペレーション现场を経験し、现実を知ること、またそれによって自分のキャリアの可能性も広がるのではないかと考え、パキスタンに行くという决断をしました。

新しい経験で最初は大変でしたが、当该政府が関心のあることを世界银行が支援する、というのは、新卒で働いたコンサルでの、自治体や都道府県、国などの政府机関との业务に近いものがあり、当时の経験を活かすことができました。2020年3月からは日本からのリモートワークになりましたが、幸い1年近く现地にいたので、人间関係も出来上がっており、リモートワークならではのチャレンジはあったものの、それなりに进めることができました。

世界银行で働く醍醐味とチャレンジとは

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Manchar Lake周辺コミュニティとの面談
世界银行での仕事の最大の醍醐味は、その国に贡献できるということです。その国が开発课题として持っていることに対して自分たちが支援をして、その国を良くすることができる。もちろん、それほど単纯ではなく、プロジェクト终了后どうなっているのかといった问题などもあって一筋縄ではいきませんが、その国の人たちが大事だと思っていることを支援できることは、非常にやりがいがあり素晴らしいことだと感じます。また、世界银行には优秀な人が多く、それぞれ素晴らしい能力を持っているので、とても刺激になります。そうした志を持った优秀な人たちと一绪に仕事ができるというのは、大変ありがたいと思っています。

逆に厳しいところは、常に自分を磨いていかないといけない、新しいことにチャレンジしていかなければならないということです。自分の専门分野だけで仕事ができるわけではないので、知らない分野のこともしなければならないこともあります。また时间がタイトなプロジェクトも多く、瞬间的な马力が必要な时もあります。

最大のチャレンジであり、また醍醐味でもあるのは、グレーゾーンの中で、いかに现実を加味した解を导くか、というところです。教科书通りにやれれば一番楽ですが、环境基準を守らなければならないからと言って、あんまりそれを詰めすぎるとプロジェクトが进まなくなってしまうことがあります。だから、一绪に考えるわけですね。当然、プロジェクトが悪影响を与えることはあってはならないのですが、「こうしてもらわなければ困る」という言い方ではなくて、「こういう解决方法ではどうか」と、极力提案型でいくことが重要です。完璧ではないけども、现场の技术レベルや経済的?时间的な制约も考虑した上で、现実的なソリューションを出せるか。そこが醍醐味でもあり、难しさでもあると思います。

日本人らしさは信頼感につながる

日本人の强みといえば、まず时间に正确であることです。タイムラインが设定されれば、それを极力守れるよう、最大限の努力をするというのが日本人の姿势だと思います。それに、「一度言ったらやる」という责任感の强さもあり、どちらも信頼感につながります。加えて、日本人の协调性の高さも强みです。世界银行の中でも日本人は割とどういうタイプの人とでも一绪に仕事ができます。人の话も闻きますし、谁かがこういうことをやりたいという思いがあれば、それに沿った専门性やサービスを提供しようと考える人が多いと思います。人を尊重する、合わせるというチームワークが强みになります。

世界银行はスタンダードセッター

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Pakistan National REDD+ Officeのメンバーと
世界银行は、国际社会において、スタンダードセッターとしての役割があります。世界银行は常に开発の各分野のリーダーですが、环境?社会面でも同じことが言えると思います。常に最先端を行く世界银行のスタンダードは、日本で言えば国际协力机构(闯滨颁础)や国际协力银行(闯叠滨颁)など、世界各地域の开発银行の参照基準となっていて、一目置かれる存在です。それだけの人材もいますし、「世界银行が承认を出している」というのは大きな安心感やお墨付きを与える侧面があります。

将来のビジョンは

世界银行での环境分野というのは、セーフガードとオペレーションの2つがありますので、できれば両方やっていきたいです。オペレーションはまだ2年くらいしかやっていませんので、もっと経験を积みたいです。同时に、世界银行は意外と官僚的な面もあり、上から求められていることをいかにきちんと実行するか、ということも大事だと思っています。あまり「やりたい」を表に出さず、机会が来たらそれを活かす、というのが自分のスタイルです。いろんな国に行ってみたい、という希望はありますし、歳を重ねたら别の役职もあると思いますが、そこは求められたら、と考えています。

8月に赴任するワシントン顿颁の仕事は、セーフガードが主な业务です。パキスタンの仕事も続ける部分はありますが、南アジア全体を见ることになります。7月からはネパールやブータンにおいて、复雑なプロジェクトのセーフガード分野を担当することにもなっています。オペレーションの业务割合は当面减る见込みですが、少しづつ増やしていけたらと考えています。

チャレンジする先に世界银行がある

世界银行は间口が広いです。様々な専门家もいますし、世界银行でのプロジェクト形成?実施プロセスに详しい人、业务补佐に优れている人もいます。このため、「世界银行で働きたい」と考えるよりも、自分がやりたいことがあって、その延长线上に世界银行があるくらいに考えていると、仕事をするチャンスがあると思います。この分野で贡献したい、という目的意识と、贡献できる分野があれば、自然と世界银行で働く机会はあるのではないかと思います。

コンサルタントから始めるというのも良い选択肢だと思います。コンサルタントは世界银行职员と一绪に仕事をするので、「この人はいい」となれば别のポジションに応募していけます。あまり1つの道にこだわりすぎず、どんどんチャレンジして欲しいです。チャレンジする延长に世界银行があると考えるくらいが良いのではないでしょうか。

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