Yuya Minami
2024年7月、世界银行入行。财务局ジュニアアナリストとして、ファイナンシャルテクノロジーチームで世界银行が発行するデジタル债やブロックチェーン技术を使った金融技术のプロトタイププロジェクトなどを担当。シンガポール国立大学にて経営学学士を取得(2024年)。世界银行入行前には、世界银行财务局やシンガポールの証券会社などでインターンシップ経験を积んでいる。
2024年7月、世界银行入行。财务局ジュニアアナリストとして、ファイナンシャルテクノロジーチームで世界银行が発行するデジタル债やブロックチェーン技术を使った金融技术のプロトタイププロジェクトなどを担当。シンガポール国立大学にて経営学学士を取得(2024年)。世界银行入行前には、世界银行财务局やシンガポールの証券会社などでインターンシップ経験を积んでいる。
学部卒业后に国际机関のキャリアという扉を开き、最先端の金融技术に果敢に取り组む南さん。フレッシュな透明感に溢れ、控えめで物腰柔らかでありつつも、「やりたいものがあるなら、それに向かって行动していく必要がある」と、高校时代から考え始めた国际机関で働くというビジョンに向けて、着実に驹を进める姿には行动力と芯の强さを感じる。
开発に兴味を持ったのは、8歳から11歳まで亲の転勤でタイに住んでいたことがきっかけだと思います。当时のタイはまだ途上国であり、政治的にも不安定でした。両亲はタイ国内をあちこち连れて行ってくれましたが、同じ年齢くらいの子どもが物乞いをしているのを目の当たりにしました。その后、大学时代にタイに游びに行ってみると随分と成长しており、ファンションや建筑物も様変わりし、バイクの数は减り、立派な自动车が増えていて惊きました。自分の目で一国の経済成长を目の当たりにしたような気分になり、それがきっかけで开発に兴味を持ちました。
また高校时代に、(HSD: High School Diplomats)に参加し、ニューヨークの国連本部やワシントンDCの国際通貨基金(IMF)を訪問したことも私の進路に影響を与えました。元HSDで当時国連でインターンをしている方が同行してくれ、国際機関でインターンができることを初めて知り、国際機関でのキャリアを考えるようになりました。
大学はシンガポール国立大学のビジネススクールでファイナンスを勉强しました。タイから日本帰国后、インターナショナルスクールで苦労して身に着けた英语力をより伸ばしたく、バイリンガルコースがある中高一贯校で国际バカロレアを履修したため、最终试験を受けるとスコアがもらえ、そのスコアを使って比较的简単に海外の大学を受験することができました。シンガポールに留学しようと思ったのは、タイにいたこともあって东南アジアが好きで、その上英语でみっちり勉强したかったからです。当初は、多国籍国家のシンガポールのダイバーシティ戦略とその仕组みに兴味を持ち、人材マネジメントを勉强したいと思っていました。ところがシンガポールは世界有数の金融ハブでもあり、周りの人に荐められたこともあって金融の世界に兴味を持つようになりました。加えてどの国も开発?経済成长には资金が必要であるため、基本的な银行の仕组みについて学びたいと考えました。
さらに実践的な理由として、世界银行ではあまり学部生を対象としたインターンシップは多くない中で、インターンシップを提供している财务局ではその応募要件としてファイナンスか経済学どちらかを大学で勉强していなければならないため、要件を満たすためにもファイナンスを専攻することにしました。
大学时代には、フィリップ証券や后述する世界银行财务局などで毎年インターンシップ経験を积み、また欧州中央银行の本部があることでも知られているドイツのフランクフルト近郊のビジネススクールでも5カ月间勉强しました。シンガポールは竞争社会で、周りの学生がインターンシップに积极的に参加していたので、私も自然と同じ道を进みました。シンガポールは小さい国ですが、日本を含む様々な国の大公司が进出しており、世界规模のイベントやフォーラムなども多数あって、大公司でのインターンシップに挑戦しやすい环境があったことも影响しているかもしれません。
については、大学2年生の頃から調べ始め、3年生の時に応募し、4年生になる直前の休暇期間に実現しました。選考ではアメリカ式のレジュメとカバーレターとダイバーシティーステートメント(自分がどのように世銀における多様性に対して貢献できるかを文章で説明したもの)が応募書類になり、 試験(この試験は2024年から廃止)に合格すると、オンラインでの面接に進みます。今年から選考時期が変わり、10月中旬には応募の締め切りがあり、年末には結果がわかるようになりました。
このインターンシップは自分にとって大変勉强になり、必要ならギャップイヤーをとってでもやる価値があると思いました。参加者のレベルがとても高く、何より世界银行で働きたいという気持ちが强くなりました。世界银行の人はオープンで色々なことを教えてくれますし、国际的で多様性のある职场です。シンガポールも多様性のある国ですが、世界银行ほど多くの国の人が集まる职场はないと思います。
夏のインターンから约1年后の2024年の7月に、财务局オペレーション部门のフィンテックのチームにジュニアアナリストとして入行しました。これは财务局のインターン経験者のみが応募できるポジションで、最短1年、最长2年の契约になります。インターンシップの途中で募集が始まり、インターンが终わってシンガポールに帰国した后にオンラインで面接があり、合否が通知される流れでした。応募する际には、自分の希望の部署を3つまで出せます。募集时に必要な书类はレジュメとカバーレターで、インターン生16人のうちの半数、8名がアナリストになることができます。先辈方はその后世界有数の大学院や金融业界、滨惭贵などに进んでいます。
世界银行财务局は、资金调达及び融资実行のための财务管理、加盟国の资产管理支援、グローバルな开発课题に対応する新たな金融手法の开発等多岐にわたる业务を担っています。その中で今私が在籍しているフィンテックチームは金融分野のイノベーションも管辖しています。世界银行は金融业界でも新しい试みに挑戦することで知られていて、例えばグリーン债(环境系のプロジェクトに资金を集める债券)やブルー债(海洋保全向けの债券)などを発行していますが、私のチームはその中でもデジタル债を担当しています。デジタル债とは、债券であり、世界银行が発行しています。それ以外では、ブロックチェーン技术を使った金融技术の概念実証やプロトタイププロジェクトなどにも参加しています。
チームは3人と少ないため、外部の人とのコミュニケーションも任せてもらえていることが嬉しいです。上司が自分の人脉を頼ってくれ、新しいアイデアを取り入れてくれる方で、自分がシンガポールで筑いた金融系のネットワークを活かせる机会もいただけました。
大学で金融を勉强し、银行の仕组みや债券、市场の动きなどの基础的な知识を身につけていたことが、今の仕事で役に立っています。また、债券は株価市场とも一部连动しているため、シンガポールの証券会社でのインターンシップでも株価市场をウォッチするなど実践的な経験を积めたことも良かったと思います。私は行动力がある方ですが、新しいことに敏感な部署では、私の行动力も必要とされていると感じます。
今の部署で対応しているプロジェクトの1つに、世界银行が加盟国から资金调达する际に使われるノートという特殊な金融商品を、ブロックチェーン技术を使ってデジタル化するという、国际决済银行(叠滨厂)、スイス中央银行と世界银行による概念実証のため共同プロジェクトがあります。端的にいうと、世界银行は融资のために加盟国からの资金を元本とし、国际资本市场から世银债を通じて资金を借り入れることで得た资金をもとに、开発プロジェクトを通して开発に贡献している组织です。财务局内外の部署と连携してこの大きなプロジェクトの実行に向けて取り组んでいる中で、この活动が将来的に途上国支援につながっていると思うと、そこに自分がほんの少しでも贡献していると感じられることが今の仕事の醍醐味です。
逆に苦労していることは、フィンテックはどんなに学んでも理解したとは思えない深い分野であることです。また、アジア圏では、言われたことをちゃんとやっていれば谁かから评価してもらえるという期待がありますが、世界银行では「自分のやっていることを评価してもらう」ための努力が别途必要だと感じます。新卒だから何も言わなくて良いのではなく、マネージャーやディレクターなどからも意见を求められて答えなければならない场面もあり、ぼんやりと会议に参加することはできません。
他方で、时间厳守や同僚を尊重する姿势などの社会人としてのマナーができていることは日本人の强みです。インターン生でも会议に理由もなく遅れる人はプロフェッショナリズムが足りないという印象を持たれてしまいます。また世界银行の日本人ネットワークがしっかりしていることも私たちにとって强い味方だと思います。世界银行には理事室をはじめとする日本人职员が组织している日本人会があり、世界银行で働く日本人が参加しています。他のチームの仕事を知ることができ、入行数カ月でも気軽に会ってくれる先辈方にお会いして世银の开発プロジェクトの経験や现场のお话を闻かせていただいたり、今后のキャリアについて相谈に乗ってもらえたりする机会にはとても感谢しています。
长期的には、国际机関で働くことは、组织としての価値観、使命、文化面から见ても自分には合っていると思うので、他の开発银行も视野に入れつつ、国际机関でのキャリアを积んでいきたいです。私は违う文化の人と交流するのがとても楽しく、知り合うたびに新しいことを学べることが好きですが、世界银行は世界で一番多様性を推奨しているのではないかと思えるくらい、各チームには様々な国のメンバーがいて楽しいです。ただ国际机関でのキャリアには修士号は必须なので、短期的には修士号の取得が次の目标です。
财务局のインターンシップを考えている人には、ぜひこれまでの経験に自信を持って応募してほしいと思います。私も自分が世界银行に合格できる自信はなかったですが、自分ができることはすべてやりました。まずはチャレンジしてみることが第一歩です。
他方で、计画的に动く必要もあると思います。自分が入りたいチームが必要としているスキルは何かを理解し、自分に必要なものを集めていかなければなりません。财务局インターンも2年前から调べ始めたのですが、フルタイムのポジションであれば数年前から动く必要があると思います。やりたいものがあるなら、それに向かって行动していくことが必要です。