カンパラ近郊のキティジ(Kiteezi)埋立地は、カンパラの制度的インフラ開発プロジェクト(Kampala Institutional Infrastructure Development Project)で拡大し、都市部で収集された廃棄物の貯蔵と処理ができるようになりました。(写真:Sarah Farhat/世界銀行)
カンパラ近郊のキティジ(Kiteezi)埋立地は、カンパラの制度的インフラ開発プロジェクト(Kampala Institutional Infrastructure Development Project)で拡大し、都市部で収集された廃棄物の貯蔵と処理ができるようになりました。(写真:Sarah Farhat/世界銀行)
「无駄がなければ、不足することもない」。このことわざは今日の世界にとてもよく当てはまります。世界のリーダーや地域社会の、いわゆる「脱使い捨て文化」を诉える声はますます大きくなっています。しかし、廃弃物は、个人や家庭以外にも、人々の健康や生活、环境、そして繁栄に影响を及ぼすより広范な问题でもあります。
固形廃弃物の管理は世界の一人一人に関係する普遍的な课题です。また、低所得国では90%以上の廃弃物が公然と投弃されたり、焼却処理されており、大きな影响を受けるのは贫しい人々であり最も脆弱な人々です。
近年、が起こり、家屋や人々がその下敷きとなる事件が起きています。往々にして、廃弃物処理场の侧で暮らし、ウェストピッキング(廃弃物の回収)に従事しその町のリサイクルシステムの动力となっているのが、こうした最も贫しい人々であり、彼らは深刻な健康のリスクにさらされています。
「廃弃物が适切に処理されないことで、世界の海が汚染され、水のはけ口がなくなり洪水を引き起こします。さらに病気が蔓延し、焼却の影响で呼吸器系疾患が増え、饵として廃弃物を食べる动物に害を及ぼし、さらには観光业などを通し経済発展に影响を及ぼします。」と世界银行の&苍产蝉辫;サメ?ワーバ局长(都市?国土开発、灾害リスク管理、强靭性担当)は述べています。
廃弃物からの温室効果ガスも気候変动の主な要因のひとつとなっています。2016年、世界の温室効果ガスの排出量の5%が、输送を除く固形廃弃物の処理から発生しました。
「固形廃弃物の管理は全ての人の问题です。効果的かつ适切な固形廃弃物の管理システムの确立が、持続可能な开発目标の达成に不可欠です。」と世界银行のエデ?イジャズ?バスケス社会?都市?农村开発?强靭性グローバルプラクティス?シニアディレクターは述べています。「このまま対応策が讲じられなければ、投弃?焼却された廃弃物が、人々の健康や环境、気候に害をもたらし、贫しい国?豊かな国ともに経済成长が阻害されるでしょう。」
人々はこの问题を既に认识してはいますが、廃弃物の発生量は惊くべき速さで増加しています。各国では、ごみの组成の変化に対応した适切なシステムが整备されることなく、急速に开発が进んでいます。人类の半分以上が暮らし世界の骋顿笔の80%以上を占める都市部が、世界的な廃弃物への取组みの最前线にあります。
世界银行の报告书「What a Waste 2.0」によると、世界では年间20.1亿トンの都市ごみが排出されていますが、そのうち少なくとも33%は环境的に安全な方法で処理されていません。
前回の报告书の改订版である2018年の报告书は、急速な都市化、人口の増加、経済発展により世界の廃弃物の量が今后30年间で70%増加し、2050年までに人口増加率の2倍以上上回る、年间34亿トンと惊くべき量になると予测しています。
これは、どれ程のごみの量なのでしょうか。
プラスチックごみを例に考えましょう。海を窒息させているプラスチックごみは海のごみの90%を占めています。2016年だけで、世界は2亿4,200万トンのプラスチックごみを排出しました。これは、500ミリリットル、10グラムのプラスチックボトル约24兆本に相当します。これらボトルに水を入れると、2,400のオリンピック?スタジアム、480万のオリンピック级のプール、400亿の风吕桶がいっぱいになると言われています。また、これは大人のシロナガスクジラの体重340万头分、エンパイアステートビルを1,376塔组み合わせた重さに匹敌します。
そして、これは、毎年排出される廃弃物全体のわずか12%に过ぎないのです。
What a Waste 2.0では、世界的なトレンドに加え、地域别の固形廃弃物管理の状况も详しく示しています。たとえば、东アジア及び大洋州地域の廃弃物の発生量は、现在世界で最も多く23%を占めています。高所得国の人口が世界に占める割合はわずか16%ですが、高所得国全体で世界の廃弃物の约3分の1(34%)が発生しています。
廃弃物の発生は、経済発展と人口の伸びに伴い増加すると考えられることから、低中所得国の廃弃物の排出量が最大の伸び幅を见せるでしょう。廃弃物の増加速度が最も速い地域がサブサハラ?アフリカと南アジアで、2050年までにごみの排出量はそれぞれ3倍以上、2倍以上増加し、世界の廃弃物の35%を占めるようになると考えられます。また、北アフリカ地域においても、2050年までにごみの排出量が倍増すると予测されています。
高中所得国及び高所得国では、廃弃物の回収がほぼ全国规模で行われており、高所得国では廃弃物の3分の1以上がリサイクルや堆肥化により回収されています。低所得国では、都市部では廃弃物の约48%が回収されていますが农村部では26%にとどまっており、リサイクルされる割合はわずか4%です。全体としてみると、世界の廃弃物の13.5%がリサイクルされ5.5%が堆肥化されています。
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「环境面からみて健全な廃弃物管理は、非常に多くの开発の重要な侧面に関係しています」と、What a Waste 2.0の主执笔者を务めた世界银行のシルパー?カザ都市开発専门家は述べます。「それにもかかわらず、廃弃物管理は、持続可能で健全かつ包摂的な都市?コミュニティ计画で见落とされるケースが多くあります。政府はその国民と地球のため、廃弃物管理问题に早急に対応しなければなりません。」
持続可能な廃弃物管理への転换には、継続的な取组みと多大な费用が必要です。What a Waste 2.0によると、廃弃物管理が、多くの地方政府の予算で1つの项目として最大の负担となる可能性があります。低所得国では平均で地方政府の予算の20%を占めます。
このようなコストを払う価値があるのでしょうか?
コストを払う価値はあります。リサーチは、持続可能な廃弃物管理への投资は経済的に意味があることを示しています。回収されなかったり适切に処理されなかった廃弃物は、人々の健康や环境に大きな影响を及ぼします。その対処にかかる费用は、シンプルかつ适切な廃弃物管理システムの开発?运営の何倍もかかります。
资金への需要に応えるべく世界银行は、环境资本、社会资本、そして人的资本の増加に资する効果的な解决策を开発し、またこれに资金支援を行うため、世界の国々や、都市、パートナーと连携しています。
2000年以降世界银行は、世界の340を超える固形廃弃物管理プログラムに対し47亿ドル以上をコミットしています。以下はその例です。
固形廃弃物処理システムには膨大な费用がかかります。このことから、同システムへの资金支援が几度となく大きな试练となってきました。世界银行の投资がこうした需要に応える国々を支援しています。
アゼルバイジャンでは、世界银行の融资が主要埋立地の復旧と国営の廃弃物処理、会社の设立を支えました。これにより、フォーマルな固形廃弃物処理システムの恩恵を受ける人の割合は2008年の53%から2012年には74%まで増加しました。また支援の结果、より持続可能な廃弃物処理の惯行が进み、リサイクル及び再利用率は25%に达しました。
中国では、成果主义を基轴としたインセンティブ?プログラムが、家庭の台所ごみの分别を促进しました。8,000万ドルの融资は、近代的な嫌気性消化処理场の建设も支えました。この施设は有机性廃弃物を発酵させエネルギーを回収するためのもので、これにより300万人が恩恵を受ける见込みです。
では、430万ドルの成果主义を基盘とした融资プロジェクトにより、5つの地方自治体で利用者手数料の徴収が増え、廃弃物の回収サービスが改善、住人80万人がその恩恵を受けました。
セクターの改善がなければ、固形廃弃物関连の排出量は、2050年までに26亿トン(二酸化炭素换算値)まで増える可能性があります。极端な気候事象は、洪水を引き起こしインフラを毁损するとともに、コミュニティとそこで暮らす人々に移住を选択せざるを得ない状况をもたらします。廃弃物管理の改善はこうした気象事象への强靭性の强化に有効です。
フィリピン?マニラのトンドのごみ捨て場でごみを燃やす人々 ()
では、550万ドルのプロジェクトが、市场开発と「気候変动に関する国际连合枠组条约の京都议定书(鲍狈贵颁颁颁)」の下での排出量削减枠の売却に取り组むラホールの堆肥製造施设を支援しました。こうした活动の结果、排出量を二酸化炭素换算値で15万トン削减、堆肥生产量は1日あたり300トンから1,000トンまで増加しました。
では、固形廃弃物処理へ投资を行い、洪水の原因となる水のはけ口のつまりの防止策に取り组むカントー市を支援しています。同様に、フィリピンでも投资を行い、河川に流れ込む固形廃弃物を最低限に抑え洪水のリスクを軽减するためマニラ首都圏を支援しています。回収システムの改善を重点课题に据え、コミュニティを基盘としたアプローチを採用しインセンティブを设定したことが、マニラ湾をはじめ海のごみの削减に贡献しています。
インフォーマルなリサイクル事业は、适切に支援し组织化することで雇用を生み、现地の产业の竞争力を向上させるとともに、贫困を削减し地方自治体の支出を减らします。しかし现実には、世界で1,500万人を超えるインフォーマルなウェスト?ピッカー(廃弃物回収者)が存在します。女性、子供、老人、失业者、移住者を中心としたウェスト?ピッカーは、不卫生な状况にあり社会保障制度や健康保険に加入しておらず、社会の偏见にさらされています。
What a Waste 2.0によると、ウェスト?ピッカーの生活の向上のためには、ウェスト?ピッカーを正规雇用につなげ経済に组み込むことに加え、リサイクル?バリューチェーンを强化し、他の雇用机会を検讨することなどが必要です。
たとえば、西岸地区では、世界银行は融资により、住人200万人が利用する埋立地3カ所の建设を支援するとともに、ごみの投弃场を闭锁し、ウェスト?ピッカーを対象とした持続可能な生计のためのプログラムの开発を支えました。融资の支払いとサービスの改善をリンクさせるなど、成果主义に立脚した融资を実行しました。
データ、计画、统合的廃弃物管理システムを重视
廃弃物に関するデータを重视する一方で、廃弃物管理に不可欠な融资、政策そして计画决定で各国を支援することが重要です。ソリューションには以下が含まれます:
· 最新鋭の廃棄物管理システムの構築のため、融資を最も必要としている国、なかでも最も速く成長している国に行う。
· 主要な廃棄物排出国を、包括的な廃棄物削減及びリサイクルプログラムを通し、プラスチックの消費と海のごみを減らすことができるよう支援する。
· 消費者教育、有機物管理、及び食料廃棄管理プログラムでの連携を通し、食料廃棄を減らす。
急速な都市化と人口増加が进む今日、适切な廃弃物管理は持続可能で健全かつ包摂的な都市やコミュニティに不可欠です。何も対策を讲じなかった场合、廃弃物が増え続け、世界は深刻な公害や汚染问题が増加する危険な道を歩むことになります。生命、生活、环境がより多くの犠牲を払うことになるのです。
この潮流を反転させる多くの解决策は既に存在しています。必要なのは、社会のあらゆるレベルでの早急な行动です。
今こそ行动に移す时です。
全データセットは www.worldbank.org/what-a-waste 、报告书のダウンロードは.から入手できます。
What a Waste 2.0は、東京開発ラーニングセンター(TDLC)を通じ、日本政府が資金を拠出しました。