氷河融解と降雪量减少が南アジアの水源にとってのリスクに
ワシントン、2021年6月3日&苍产蝉辫;– 工場、調理、車両から排出されるブラック?カーボンが、気候変動の影響を助長し、ヒマラヤ氷河の融解を加速させている。ブラック?カーボンの排出量をさらに厳しく抑制すれば、氷河融解を減速させ、同地域の水源からの安定供給を向上させることが可能だと、世界银行の新報告書「ヒマラヤ氷河:気候変動、ブラック?カーボン、地域レジリエンス」は指摘する。
同报告书によると、ブラック?カーボンの排出抑制のために现在进められている政策には、エネルギー効率基準の引き上げ、ディーゼル车の段阶的廃止、电気自动车の普及促进があり、いずれも価値があるが、これだけではブラック?カーボン排出の削减はわずか23%しか进まず、域内の氷河融解水の流出加速を防ぐには十分ではない。ただし、氷河融解を现在のレベルにとどめるための、経済?技术的に実行可能な新政策は手が届くところまで来ている。
例えば、ブラック?カーボン排出のほぼ半分を占める炼瓦窑の効率性を高めれば、氷河融解を加速させる排出を削减可能であり、短期间で成果の上がるわずかな先行投资も準备が整っている。クリーンな调理用レンジとクリーンな燃料も、ブラック?カーボン排出削减の键となる。一般世帯にバイオマスや石炭から液化石油ガス(尝笔骋)、长期的には太阳光発电に切り换えるよう奨励することも果があるだろう。
「近年、ヒマラヤ氷河崩壊により壊灭的被害をもたらした鉄砲水は、気候変动が破灭的な悪影响をもたらすという厳然な事実と、そうした危険に备えることの必要性を改めて突き付けた。」と、ハートウィグ?シェイファー世界银行南アジア地域総局副総裁は述べた。「氷河缩小に伴い、水の供给に変化が生じるため、下流に暮らす多くの人々の命と生活に影响が及ぶ。氷河缩小を加速させているブラック?カーボンの排出を抑制するため共同で行动を起こすことにより、融解を减速させることができる。こうした资源を保护するための地域レベルの协力が、域内の人々の健康と幸福にとって重要な见返りをもたらすだろう。」
ヒマラヤ山脉、ヒンズークッシュ山脉、カラコルム山脉は、6カ国2,400キロメートルに広がり、6万平方キロメートルの氷河を抱え、北极と南极とともに最も多くの水を蓄えている。氷河融解と降雪量减少は、下流に暮らす人々だけでなく、より広范に南アジア地域の安定した水资源にとっても深刻なリスクとなっている。融解を加速させているブラック?カーボンの排出削减に向けて取り组みを强化しない限り、影响は悪化する一方だ。
氷河と降雪からの水が流入するインダス川、ガンジス川、ブラマプトラ川は、7亿5,000万人以上が淡水を得るための不可欠な水源であり、水量や流出の时期に変化があると、経済?社会面で深刻な影响が及ぶ。南アジア地域では、2050年までに15亿人から17亿人が水不足に陥る危険があると予测されている。
ヒマラヤ山脉については、温度や降雪パターンの変化に加え、ブラック?カーボンの排出が氷河や降雪の融解を加速させていることがわかっている。ブラック?カーボンとは、大気中を浮游する微小粒子で、炼瓦釜の不完全燃焼、ディーゼル排気ガス、バイオマスの燃焼から発生する。これまで通りのやり方を続けていれば、氷河の融解が一层加速し、域内に暮らす人々の健康と幸福に悪影响を及ぼすことになる。
最后に、南アジア诸国は、水力発电资源を管理するため协力しなければならない。同地域のクリーン?エネルギーの需要を満たす重要な资源であり、エネルギー贸易とエネルギー安全保障の源だからだ。氷河融解により水流が不安定になり降水パターンの変动が大きくなっているため、长期的に安定的に水を确保する必要性が浮き彫りとなり、水力発电の実用性が高まっている。
ヒマラヤ氷河融解に伴う数々の课题への本格的な対応は、ひとつの国の政策担当者の枠を超え、国境を越えた协力が求められる。共同での适応戦略の策定には域内协力が必要となるだろう。そのための第1歩として、刻々と変わる氷河の状态と、融解に伴うリスクについて情报を共有することが考えられる。
「现在の倾向は、现在とは违い、より困难な将来を示唆しているので、水资源管理のための政策は进化させていく必要がある。」と、同报告书の首席执笔者であるムスクマラ?マニ世界银行南アジア地域担当リード?エコノミストは述べた。「成果を上げるためには、研究者と政策担当者の双方が目の前にある问题について学び続けることができるよう积极的かつ机动的に协力することが求められる。」
同报告书の研究は、英国外务国际开発省、オーストラリア外务省、ノルウェーによる信託基金である南アジア水イニシアティブの支援を受けて実施された。