すでにウェブサイトで告知されている通り、今年も日本政府が支援するジュニア?プロフェッショナル?オフィサー(闯笔翱)とミッドキャリア(惭颁)ポジションを募集中です。(応募缔切は日本时间4月20日17时)
选考に先立ち、东京事务所主催で世界银行グループ职员による各种セミナーが开催されており、私もいくつかのセミナーに人事コメンテーターとして参加させていただいております。その中で、みなさんから「なかなか人と会えない中、自分の経験をアピールするために、どのように世界银行関係者とネットワーキングをしたら良いのか、」というような质问を复数いただきました。ネットワーキングは、経験をアピールする手段としてだけではなく、応募要件やその背景を详しく把握したり、选考书类や面接の準备のための情报収集したりする上でも有益な手段です。ネットワーキングについては、2020年9月にこの人事ブログコーナーで、「ネットワーキングの妙?ポストコロナ时代に通用するスキルとは」と题して、世界银行で职员向けに提供されているネットワーキングスキル向上のためのトレーニングを绍介し、その上で、世界银行への就职や転职を目指す日本人の方々向けに私なりの考察、そしてアドバイスをさせていただきました。
あれから约18カ月、现在ではコロナの感染状况に改善の兆しが见え、ワシントン顿颁本部をはじめ各地の世界银行事务所で、在宅勤务からハイブリッドモデル(オフィスへの出勤と在宅勤务を组み合わせた勤务体系)へと移行しつつあります。今回のブログでは、この2年间の世界的なビジネス环境のバーチャル化?デジタル化に伴い、ネットワーキングを取り巻く环境にどのような変化があったのかを考察し、その上で环境の変化に応じたネットワーキングの具体例を绍介したいと思います。
この2年间での変化
パンデミック中にほとんどの労働者が在宅勤务や远隔地からのテレコミュート移行した中で、以前はリモートワークには向かないと言われていたような职种もテレコミュートが可能であることが実証されました。また、大规模な会合、例えば世界银行の年次総会などもオンライン环境で実施されました。职员の出张も激减し、完全にテレビ会议方式などに代わったような会合等もあります。费用対効果を勘案し、オンラインで実施できる会议については、仮にコロナ感染へのリスクが限りなくゼロになったとしても、パンデミック以前と同水準には戻らないだろうと思われます。
ネットワーキングに関する前回のブログでは、ポストコロナ时代はますますネットワーク构筑の机会もオンラインに移行していくだろうと述べましたが、キャリア関係のイベントも、ほぼオンライン环境で提供され、インターネットさえあれば世界のどこにいようとも平等にアクセスできるようになりました。主催侧としては会场のキャパシティーによる人数制限を勘案しなくても済み、また候补者侧にとっては、国际机関の所在地との物理的な距离は不利ではなくなったと言えるでしょう。日本人向け各种イベントを主催する东京事务所の担当者や人事総局のアウトリーチ担当チームと今后のキャリアセミナーのあり方について议论してみると、今后はかなりの割合のイベントをオンラインで実施していくことになるだろうとの见解でした。
新しいネットワーキング手法のトレンド
情报を得る手段としてのネットワーキングについては、地理的制约によっての不利がなくなったことで、日本にいる日本人には非常に有利な状况になったと言えるでしょう。
他方で、自分の専门をアピールする机会、自分の人となりを知ってもらう机会、という点についてはバーチャル化に合わせた対応が必要です。以前は、学会やセミナー、そして共同プロジェクト等で、各専门の世界银行职员などに候补者の侧からアプローチして自らを知ってもらう机会が豊富にありました。例えば、私が日本人採用ミッション事务局を担当していた2018年までには、キャリアセミナー终了后など、ざっくばらんに情报交换する机会があり、候补者の経験を伺うことができたように思います。また、部署の採用マネージャーも、セミナーや学会などで出会った方からレジュメを受け取ることもあり、それを部内で閲覧したりしていたそうです。最近ではそういった会合がオンライン环境で実施されることが多くなったため、潜在的候补者とやり取りする场はかなり减ったとのことです。
こうした流れに対応するには、候补者の侧からオンライン环境に即した自分なりの情报発信を积极的に行っていくことが必要になります。そのためには、自分の専门や経験の绍介になる媒体を确保することをお勧めいたします。
具体例1~尝颈苍办别诲滨苍を活用した情报発信
ほとんどのみなさんが今すぐにでもできるであろう情报発信は、尝颈苍办别诲滨苍による各种活动です。まずは、自分が兴味がある组织や専门家をフォローしたり、投稿に関してコメントを残したりすることです。例えば、これまでの採用ミッションにも何度か参画し、日本人を採用してきた実绩のある都市?防灾?强靭性?土地?グローバルプラクティスのサメー?ワーバ局长は、定期的に尝颈苍办别诲滨苍の自身のページに活动报告や知见を共有しており、コメントには必ず目を通しているということです。もし、関连分野の皆さんから见解や质问があれば、意见の交流が生まれる可能性もあります。これは、立派なネットワーキングと言えるでしょう。
今回の日本政府が支援する採用プログラムで、ミッドキャリア(惭颁)ポジション(罢翱搁参照)を出しているガバナンス?グローバルプラクティスのエドワード?オロウォーオケレ局长も尝颈苍办别诲滨苍で自らの専门性や活动を绍介しています。私は现在贬搁ビジネスパートナーとしてガバナンス?グローバルプラクティスの人事戦略の策定に携わっていますが、同プラクティスは积极的に外部の人材を採用する方针をとっており、実际にガバナンス?グローバルプラクティスの职员と尝颈苍办别诲滨苍上で繋がった方が空席の候补者としてショートリストされた事もあります。こういった、候补者の方のオンライン上での専门知识や経験の共有が、採用侧の目に留まり採用に结びつくような流れは今后もますます増えていくと思われます。
また、さらに踏み込んで、自ら积极的な情报発信という点では、両局长のように自らが専门分野に関する知见を尝颈苍办别诲滨苍のブログ机能に投稿することも有益です。ハッシュタグ机能などを有効活用し、専门家の目に留まるように工夫し拡散すれば、黙っていても记事がオンライン上で自分を宣伝してくれるような状况になります。これらの活动は、尝颈苍办别诲滨苍のアカウントがあれば谁でもできます。なお、専门の情报発信は英语で行うことが重要です。
具体例2~オンラインでのテクニカルペーパー、论文等の积极的な発信
また、テクニカルペーパー等の執筆、拡散も一つの方法です。国際開発の専門誌や学会誌に積極的に投稿したりして、ご自身の専門家としてのブランド確立を図っていくことは引き続き重要です。現在は論文投稿手続きから審査選考までを全てオンラインにて実施し、掲載もオンラインのみにしていることもあります。過去10年に渡り、国連、世銀と国際機関を目指す多くの専門家の皆さんとお話しして気が付いた日本人の特徴として、しっかりした専門性そして英語力があるにも関わらず自ら情報発信をしていこうという考えを持つ方が少ない傾向があります。積極的な情報発信のアドバイスを差し上げると、「現在属している組織の名前を出していいものか」「英語に自信がない」という回答が多くなっておりますが、まず、英語の執筆で不安があればプロにお金を払って校正サービスを受けることもできます。所属組織との関係性という観点については、日本语の業界メディアや業界誌への投稿には上司は比較的寛容であるが、英語となると二の足を踏むということを聞きます。英語による情報発信は、現在の所属組織のグローバル化にとっても何らかの利点があることが多いはずですので、交渉の余地はあると思います。世界銀行では、自分のコンセプトペーパーやテクニカルペーパーを積極的に組織内で発表しプレゼンテーションを通して、フィードバックを得つつ、専門家として徐々に外に対して発信していく職員も数多く見受けられます。
具体例3~セミナー讲师やパネリストとしての参画
すでに、国際開発の各分野で第一線の専門家として活躍されている方であれば、国際機関主催のイベントや、国際機関内部の講演のスピーカーとして登壇することもお勧めいたします。昨年、コロナへの支援体制を確立すべく組織が一丸となって取り組んでいる時期に、人間開発ユニットのチーフエコノミストオフィスが、外部の専門家の方々を招聘して公衆衛生関係の講演会を開催しました。その際、日本人の経済学者で東京大学の教授をされている方が基調講演者として登壇されました。こうした場での経験や知見の共有は専門家としてのキャリアにとって非常に効果的です。チーフエコノミスト室レベルでの講演は誰もができることではないかもしれませんが、世界銀行には組織の各層で様々な勉強会、知識共有セミナー等が開催されており、大学院に属する学生や若い研究者等を招聘することもあります。そういった場でネットワークをさらに広めて行くことも可能と思われます。これは、最終的に世界銀行に転職することが目的ではなくとも、国際開発各分野の専門家としての経験を深める上で有益だと思われます。対人形式で実施されていたころは、旅費の負担などの制限があり、外部講師の招聘のハードルとなっていましたが、今では、オンライン開催で敷居も低くなっています。特に、Microsoft Teams やZoom等のテクノロジーを通して、組織を越えた知の連携がしやすくなっています。
まとめ
过去2年间で、働き方そしてコミュニケーションの在り方が大きく変化しました。キャリア构筑におけるネットワーキングについては、国际机関の所在地やセミナーの実施会场への距离など、地理的な制约はほぼ取り払われたといっても过言ではないでしょう。国际机関职员からの情报収集やキャリアセミナーへの参加という目的については、ほぼオンライン环境で得られる时代へと完全に移行したといっても过言ではないと思います。一方、自らを売り込むためのネットワーキングについては、オンライン时代に即したアプローチが求められます。今回は尝颈苍办别诲滨苍等のプラットフォームを使った手法などいくつかの例を挙げてその方法论を考察しました。
最后に、キャリア构筑のためのネットワーキングにおいては、交わされる情报の质や内容が重要であることに変わりはありません。ご自身の目指すキャリア実现のために、情报、アドバイス、绍介、サポートなど何を得たいかを明确にして戦略的にアプローチすることが重要です。そして、ご自身の売りである専门性を日々磨く努力は常に大前提となっています。
笔者略歴
戸崎智支 人事総局 HRビジネスパートナー
Satoshi Tozaki, HR Business Partner
早稲田大学政治経済学部卒业后、鉄道会社、外资系会社勤务。その后アジア経済研究所开発スクール(滨顿贰础厂)を経て、コーネル大学にて产业労働関係学修士号を取得。多国籍公司の人事マネージャーとして北アメリカ、东南アジア、日本法人等で勤务后、2014年に国连に移り、国连人口基金(鲍狈贵笔础)ニューヨーク本部人事戦略および分析担当官を歴任。2016年に採用担当官として世银に移籍。金融、保健、环境、およびインフラ関连の専门家、エコノミストの採用を担当。2018年より贬搁ビジネスパートナーとしてクライアントサービスチームに异动。日本人リクルートミッション事务局运営担当も歴任。世界银行グループにおける様々なグローバル人事?ダイバーシティイニチアチブに携わる。